1日目 安達太良山頂上を目指す


今日は、ゆうパパと東北の名峰、厳冬期の
安達太良山(標高1699m)を目指すこと
にしました。
  
  
  


東京駅を午前6時04分に出発する
東北新幹線「やまびこ41号」に
乗ります。
  
  
  


自由席に座りました。
ゆうパパは、昨夜、大阪から飛行機で
東京にやってきていました。
  
  
  


郡山駅で在来線に乗り替えます。
福島駅行きの普通電車です。
  
  
  


午前7時59分に二本松駅に到着です。
   
  
 
 

今日の計画したルートです。
あだたら高原スキー場のゲレンデ下にある
奥岳登山口から勢至平を抜けて、先ずは
くろがね小屋を目指します。
くろがね小屋からは森林限界になり、
峰の辻を経て乳首と呼ばれる安達太良山
頂上を狙います。
下山は、薬師岳展望台からゲレンデを
降りてくるコースです。
  
  

  
  


タクシーで奥岳登山口にやってきました。
午前9時に登山開始です。
しかし、かなりの強風で、体が踊ります。
  
  
  
  

馬車道と呼ばれるつづらおりの林道を
ワープして直登する道を行きます。
樹林の中では風は少しましです。
  
   
  

このあたりはおだやかな日差しが
ありました。
  
  
  
 

勢至平に到着です。
強風が吹きつけてきます。
下界が霞んでいるのは、天気が悪いの
ではなく、地吹雪で巻き上げられた
細かい雪が飛散しているためです。
  
  
  
  

勢至平の樹木の合間で風を避けて
小休止です。
しかし、このあたりから全く
トレースがありません。
   
  
  
   

トレースのない雪面を歩き、
ところどころで膝ラッセルに苦戦です。
そして、ようやく「くろがね小屋」が
見えてきました。
   
 
  
  
 

くろがね小屋に到着です。
午前11時30分になっていました。
コースタイムは2時間ですが、
ラッセルもあって、30分余分に
時間がかかってしまいました。 
 
くろがね小屋は通年営業で、小屋には
温泉があるのです。
岳温泉に供給している源泉がここに
あるのです。
  
  
  
  

ここで小休止です。
先ほどの強風も少し止んできています。
昼から風が収まるかも・・・と思って
いた我々は、この後、地獄を見るのでした。
   
  
  
 

くろがね小屋を出て、馬の背と呼ばれる
稜線下の雪斜面をトラバースし始めると、
再び強風が吹き荒れてきました。
  
  
  

稜線方面を見るとこんな感じで、
地吹雪が激しくなってきました。
常に20mくらいの強風が吹いています。
  
  
  
  

雪斜面で風を少し避ける場所で、
ほんの少し息を整えます。
しかし、このような場所は、雪崩の
危険性が高く、ゆっくりはできません。
  
   
  
  

峰の辻が近づくと、膝上ラッセルに
苦しめられます。
  
  
  

峰の辻直下で、突風に耐風姿勢を取る
ゆうパパです。
風速30mを超える突風が轟音を立てて
定期的に襲ってきて、地吹雪が容赦なく
ほっぺたを打ち付けてきます。
風に体が持っていかれそうになります。
滑落にも注意が必要です。
  
  
  
  
  

残念ながら、時刻は12時30分、
峰の辻直下にて、撤退を決めました。
 
くろがね小屋から峰の辻までは、
コースタイムで40分ですが、地吹雪を
ともなう暴風とラッセルのため、すでに
1時間を要しています。
 
このままでは、頂上に立っても下山が
困難となると判断したのです。
登ってきた道を戻ることにしました。
  
  
  
  
 

風速30mを超える突風も、時間間隔を
知ると、その合間に少しリラックスする
ことができます。
突風と突風の間隔は、約3分程度かな?
でも、登っているときよりも、間隔が
短くなってきています。
確実に頂上付近の天候は悪化に
向かっています。
  
   
  
  

くろがね小屋が見えてきました。
気温はマイナス12℃と、厳冬期の
雪山ではそれほど低くないのですが、
強風で体感温度はマイナス30℃を
超えているようです。
手の指がしびれます。
  
  
  
  

くろがね小屋から少し下山した樹木の
合間で、遅い昼食です。
刺身や網焼き用の帆立貝などを持って
きましたが、樹木の中でも時折強風が
襲ってきて、寒さが堪えるため、
食べられません。
 
いつもなら、雪中宴会とするところ
ですが、寒すぎて、20分も滞在
できず、おでんと熱燗で何とか
腹を満たしただけです。
   
  
  
  
 

高度を下げると太陽が見えるように
なってきましたが、勢至平までは、
引き続き地吹雪が遅います。
  
  
  
  

勢至平まで戻ってきました。
日が照っていますが、強風です。
  
  
  

ようやく風が収まる場所まで下りて
下界が見えてきました。
  
  
  

地吹雪によって、二人の帽子は白く
凍り付いています。
  
  
  
  

午後3時前には、太陽が傾き始めました。
  
  
  
  

馬車道のある樹林帯では、すでに陽が
差し込まず、暗くなってきています。
  
  
  

午後3時にあだたら高原スキー場
ゲレンデに戻ってきました。
  
  
  

今朝、登山届を提出したポストに
下山届を記入して入れます。
  
  
  
 

冬季は営業していないゴンドラ乗り場の
一階が、スキー客の更衣室になって
います。
  
  
 
 

15時40分、今日宿泊する旅館の
迎えのバスがやってきたので、
運転手さんに写真を撮ってもらい
ました。
逆光で、いまいちです。  
  
  
  
  
  

今日の宿は、岳温泉にある
「鏡が池碧山亭」という温泉旅館です。
  
  
  
  

我々は安達太良山や鏡が池の見える
506号室に入りました。
  
  
  
  

部屋から見た安達太良山です。
頂上付近は雲に覆われて見えません。
  
  
  

凍った鏡が池と、薬師岳に続く尾根の
向こうに沈む夕日です。
  
  
  

部屋に入ると早速、浴衣に着替えて
くつろぎます。
   
  
  
 

夕食までの間に旅館の温泉に入りました。
露天風呂は源泉かけ流しです。
寒くて山の上で飲めなかったビールを
ここでいただきました。
リュックに入れていただけで、ビールは
キンキンに冷えています。
  
この温泉の湯は、安達太良山
くろがね小屋の源泉から引っ張って
きています。
濃い成分で、湯の花も浮いています。
  
  
  
  

旅館のロビーです。
落ち着いた良い雰囲気です。
  
  
 

夕食とともに、二人で登山の残念会、
そして無事下山のお祝いをしました。
ビールと地酒、そして刺身大皿盛りと
懐石に舌鼓を打ちました。
 
こうして酔っ払った我々は、疲れも
あったか部屋に戻って、午後8時には
寝てしまったのでした。
  
1日目 おしまい。