冬の茶臼岳から朝日岳へ


写真は雪を被った那須連峰の稜線です。
今日は、栃木県と福島県にまたがる
雪の那須連峰へと向かいました。
  
  

東京駅を6時40分に出発する
東北新幹線「やまびこ203号」に乗ります。
  
  
 

美しいエメラルドグリーンの車体です。
  
  
 

自由席はガラガーラでした。
向かいのホームのガーラ湯沢行きの
上越新幹線はスキー・スノボ客で
満員です。
  
  
 

那須塩原駅には7時50分に到着です。
  
  
 
 

駅の待合室で着替えをしてから、
駅レンタカーでホンダFITを借りました。
   
  
 
 

那須湯本温泉から大丸(おおまる)温泉
へと行く道は、雪道でした。
  
 
 
 

大丸温泉の駐車場に車を置きました。
目の前の山の斜面は、昨年、那須岳
高校生雪崩遭難事故の場所です。
しかし、冬山のルートではないので、
何故こんな場所をラッセル訓練の場所に
選んだのか理解できません。
亡くなられた人のご冥福を祈りつつ、
おけパパの今日の山行の無事も祈ります。
  
  
  

今日のコースを見てみましょう。
大丸温泉をスタートし、冬季休業中の
ロープウェイ乗り場の横から峠の茶屋を
目指します。
そこからが本格的な登山道です。
稜線に出て、南にそびえる日本100名山
の茶臼岳(1915m)を目指します。
そのあとは、稜線を北に縦走して、
朝日岳(1896m)まで足を延ばすと
いうものです。
 
  
  
 
 

9時40分に大丸温泉を出発。
峠の茶屋に向けての最初の緩やかな登りです。
雪はさほど多くありません。
気温はマイナス3℃ですが、太陽がギラギラ
で、冬山なのに汗がにじみでてきます。
 
 
 
 

目指す朝日岳が目の前に見えてきました。
ニットの帽子が暑く脱いじゃいました。
  
  
 
 

峠の茶屋にある登山指導センターです。
センターは冬は閉まっていますが、
登山届だけは提出できます。
  
 
 

暑いので、半シャツ1枚になりました。
山の神の鳥居の半分くらいが雪に埋まり、
くぐることができません。
  
 
 
 

今度は、先ず目指す茶臼岳(通称 那須岳)が
見えてきました。
夏はロープウェイで9合目まで登れるので、
観光客も多く登山します。
しかし、この季節はロープウェイが休業で、
本格的な冬山装備に身を固めた、限られた人
しか登れません。
  
 
 
 

頂上付近では、火山らしく水蒸気噴煙が
上がっています。
  
  
 
 

これは朝日岳の手前の剣ヶ峰です。
稜線に上がる尾根筋からは、南に茶臼岳、
それに対峙するように北には朝日岳
そびえているのが見えます。
  
 
 

マイナス5℃ですが、ギンギラギンの
太陽のおかげで半シャツのまま稜線まで
登れそうです。
  
 
 

遠くに稜線に建つ避難小屋が見えて
きました。
那須連峰は、冬は強風が吹き荒れることで
有名ですが、今日はおだやかです。
  
 
 


登山開始から1時間30分の11時10分、
稜線に建つ避難小屋に到着です。
この小屋から上は強風地帯です。
  
 
 

テルモスの暖かいお茶を飲んで、
パワーをつけます。
同時に、半シャツの上に冬用ヤッケを
着用、真冬用の手袋も装着して出発です。
  
 
 
 

避難小屋から30分、12時ちょうどに
茶臼岳に到着しました。
雪はそれほど多くなく、ピッケルではなく
ストックで登ってこれました。
  
  
 

茶臼岳頂上の標識です。
  
 
 

自撮り棒を使って記念撮影です。
  
 
 

祠は茶臼岳頂上標識よりも1mくらい高い
ところにあります。
いつも強風が吹き荒れることを物語る
無数のエビのしっぽが祠に着いています。
  
 
 
 

絶景です。
遠くには尾瀬の最高峰である燧ヶ岳を
見ることができました。
この写真は、今回、唯一、他の人に撮って
もらったものです。
 
気温マイナス7℃ですが、太陽がギンギンで、
風が冬山では微風の5〜6m程度です。
とても暖かく感じます。
  
  
  

と、その写真を撮ってくれた人が
すごすぎるのです。
何と、アイゼンを自作しているのです。
庭の猫除け用プラスティック剣山の中に、
熊手を紐で縛って取り付けたものです。
何でも、冬山に初めて来たらしく、防寒具
などにお金がかかってアイゼンまで買う
ことができなかったそうです。
それでも登ってくるとは、強者です。
  
  
 
 

靴裏を見せてもらうと、熊手がそのまま
取り付けられています。
今日は穏やかな天気で、太陽の熱によって
雪も表面が溶け凍っていないため、
このアイゼンで登ってこれたのでしょう。
普通なら途中で滑落するところです。
この人はラッキーでした。
 
 
 
 
 

那須連峰の稜線をバックに記念撮影です。
  
 
 
 

お鉢周りをした後、再び避難小屋に向けて
下山です。
  
 
 
 

避難小屋から朝日岳までは、茶臼岳のように
簡単なルートではありません。
凍った雪面をトラバースしたり、凍った
岩稜を登らないとならないからです。
しかし、今日はラッキーです。
風がなく太陽が照っているために、
トラバースする雪面にも、トレースができる
ほど、雪が緩んでいます。
しかし、こういう時は雪崩にも注意です。
  
 
 
 

真後ろにそびえるのは先ほど登った
茶臼岳です。
  
 
 

朝日岳に向けての最後の登りです。
強風地帯らしく、シュカブラとエビのしっぽ
が無数にあります。
 
また、茶臼岳には10組くらいのパーティが
見えましたが、朝日岳はぜんぜん人が見え
ません。
この一帯は、おけパパが占領です。
  

  

登山口から3時間30分経った13時10分、
今日の目的地である朝日岳に到着しました。
誰もいないし、頂上から見渡す限り、
誰も見えません。
山を独占です。
 
 
 

那須連峰の稜線がみごとです。
おけパパの自撮り棒を利用しての、この
写真も見事です。
自撮り棒を岩と岩の間の雪に差し込んで、
10秒のセルフタイマーで自撮りです。
何回か失敗のうえ、この見事な写真です。
  
  
 
 

写真は朝日岳から三本槍岳へと向かう途中
にある清水平という大きな平原です。
雪を被って真っ白です。
おそらく、雪も深く、ラッセルを余儀なく
されると思われます。
  
 
 

誰もいない山で、一人で自撮りを楽しみ
ます。
  
 
 

茶臼岳をバックに、撮影です。
 
 
 

またまた、自撮り棒セルフタイマーでの
撮影です。
 
真後ろには、三本槍から三倉山への見事な
稜線です。
 
左の奥にうっすらと見えるのは、奥只見から
越後の山々でしょうか。
おそらく、越後駒ケ岳から八海山あたり?
  
右の奥にうっすらと見えるのは、磐梯山から
安達太良山のあたりでしょうか?
 
 
 
 

那須の下界です。
りんどう湖も見えています。
  
 
 
 

ということで、誰もいない山、この絶景
を見ながら、ビールでひとり乾杯です。
ヒールはもちろん、サントリープレミアム
モルツの香るエールです。
 
お昼をまわって冷えてきたので、ヤッケの
下にフリースを着用しました。
  
 
 

今日のひとり宴会は、あたりめをつまみに
エールビールをいただきます。
そのあと、おでんをつまみながら熱燗を
2合ほどいただくことにしました。
 
 
 

何よりも、この絶景が一番の酒のつまみです。
  
 
 
 

時刻も14時近くになってくると、かなり
冷えてきました。
気温計を見ると、マイナス10℃近くに
なってきていました。
 
熱燗がうまいわけです。
冬山での熱燗は、腹の底から体を温め
られる感覚があり、とても好きです。
  
 
 

時刻も14時を回り、風も少し出てきて
寒くなってきました。
天気も安定しているので、もう少し滞在
したいのですが、冬山では無理は禁物です。
冬山の雪面は、15時ごろには凍ってしまい、場所によってはアイスバーンになるからです。

若干の酔いも、マイナス10℃の中を
数時間も下山すれば、駐車場に着くころ
にはアルコールが抜けていることでしょう。
 

下山途中でも絶景を写真に納めていきます。
  
 
 
 

見事なセルフタイマーによる自撮りです。
いや、見事な雪の山並みです。
 
ただし、セルフタイマーの10秒以内に
撮影場所まで走って行きます。
若干の酔いもあり、慌ててツルッと足を
滑らせると、滑落の恐れありです。
注意が必要です。
  
 
 

陽が傾き始めました。
だぁーれもいない、この稜線を下って
いきます。
 
 
 

茶臼岳をバックに、午後遅くなって
凍りだした雪面をトラバースします。
足を踏み外すと、谷底まで滑落し、
最後のスケです。
この場所でのセルフタイマー自撮りは、
かなり勇気がいりました。
でもうまく撮影できました。 
 
遠く茶臼岳の下りルートに、7〜8名の
パーティの縦列が見えます。
 
 
 
 

凍りだした雪面に12本爪のアイゼンを
踏み込んでいくと、表面の雪がウェハースの
ように、パリパリと音を立てて割れ、
その下の締まった雪にアイゼンの爪がグイッと刺さりグリップしてくれます。
一番歩きやすく、不安のない雪面です。
これより遅い時間になると、表面の雪が完全に凍り割れないツルツルの氷になっていき、安全に歩けなくなります。
 

15時ごろに避難小屋近くまで戻って
きました。
傾いた太陽が再びギンギラギンになって
きました。
しかし、暖かさはもうなく、かなり冷えて
きています。
  
 
 

15時20分、いよいよ稜線を去る時が
きました。
ピッケルとストックに持ち替えて、絶景に
お別れです。
 
 
 

見事な景色でした。
見納めです。
 
 

最後に茶臼岳をバックにセルフタイマー
自撮りです。
ちょっと失敗で、顔が下を向いています。
 
茶臼岳の頂上付近では、水蒸気の噴煙が
上がっています。 
 
 
 

傾いた太陽を背に歩くと、白い雪面に
自分の黒い影が映り、不思議な気分です。
  
 
 

最後に、傾いてきた太陽に照らされている
朝日岳を撮りました。
  
 
 

無事に山の神の鳥居まで下山しました。
 
この後、大丸温泉の駐車場には、
16時40分に到着しました。
登山開始から、ちょうど7時間でした。
  
 
 
 

駅レンタカーにホンダフィットを返却し、
17時30分に那須塩原駅へと入りました。
  
 
 

18時02分の東北新幹線「なすの280号」
に乗りますが、時間が少しありました。
暖房の良く効いた待合室で、横の喫茶で
買った那須牧場の特製ソフトクリームを
いただきました。
体を動かした後は、何故かバニラの
ソフトクリームがとても美味しいのです。
  
 
 

定刻どおりやって来た「なすの280号」は
17両編成と長い列車です。
おけパパは、9号車グリーン席に座りました。
グリーン席は、ふくらはぎ乗せがあり、
疲れた足が癒されます。
  
 
 

東京駅には、19時16分に到着しました。
「なすの280号」は、グリーンと赤の
新幹線が連結されていたので、記念撮影です。
  
 
 

東陽町のマンションには、19時40分に
帰ることができました。
毎度ながらの、ひとり登頂祝いです。
 
生牡蠣、ホタル烏賊、刺身などをつまみに
タイのChangビールと、桃川、鳥海山
純米吟醸酒をいただきます。
メインは貝尽くしのお寿司でした。
 
ということで、疲れて酔っ払ったので、
おやすみです。
 
おしまい。