雪の雌阿寒岳であか〜ん!


今日は、雪山を求めて北海道へ日帰りで
飛びました。
目指すは、阿寒国立公園にある日本百名山
雌阿寒岳(めあかんだけ)標高1499mです。
この写真は、まだ氷結しているオンネトーから
見たもので、左が雌阿寒岳、右が阿寒富士です。
  
ただし、この時、今日の山行で起こる事を
おけパパは知る由もなかったのです。
  
  
  


前回の山行で、自撮棒が調子悪くなったため、
今日は新型です。
三脚も付いており、ブルーツースでリモコンで
シャッターを動かせるのです。
もうセルフタイマーは必要なしですね。
  
 
 
 

ということで、早朝、羽田空港に向かいました。
  
 
 


ANAスイートラウンジで、朝食をいただき
ました。
おにぎりとお味噌汁、スープ、そして
クロワッサンとカフェラッテです。
  
 
 
 


羽田空港7時45分発の釧路行き、
AIR DO(エアードゥ)71便に乗りました。
  
 
 

北海道の空の翼と呼ばれている、鮮やかな色の
AIR DOの機体です。
ボーイング737−700の小型機ですね。
  
 

23Fの窓側に座りました。
しかし、この機内では、23Cと23Dの
通路を挟んで座っていたオッサン二人が
離陸から着陸まででかい声でしゃべっていて
うるさかったので、CAさんに注意して
おきました。
 

飛行機はえりも岬近くの海岸線から着陸に
向けて一気に降下します。
翼の先に描いてある熊さんがかわいいです。
 
北海道の外は晴天ですが、何故か釧路地方の
強風の影響で飛行機の着陸が遅れました。
どういうこと?
  
  
 
 

釧路空港では、オリックスレンタカー
借りました。
9時30分に予約していましたが、店に
入った時には9時50分を回っていました。
 
トヨタビッツを予約していたのですが、
なぜかワンクラス上のアクシスでした。
  
 
 

釧路空港からは国道240号線、通称
「まりも国道」を阿寒湖方面へと向かいます。
 
道路の左右には牧場が広がっています。
加えて、タンチョウの鑑賞ができる公園が
複数あります。
残念ですが、もうタンチョウが見れる季節は
終わっていました。
  
 
 

1時間強で、雌阿寒温泉にある駐車場に
到着です。
ここは、歌手の松山千晴さんの出身地、
足寄町です。
  
 

目指す雌阿寒岳には、この雌阿寒温泉
駐車場から出発です。
  
 

今日のコースです。
雌阿寒温泉から真っ直ぐ雌阿寒岳のお鉢まで
登り、頂上まで行ったあと、来た道を戻ると
いうピストンコースです。
 

 

登山口です。
11時15分に登山開始です。
コースタイムでは頂上まで2時間10分です。
 

  
 
 

登山届に記名しました。
登山届のノートを見ると、今日、この山には
おけパパのほかに4名の入山があったようです。
  
 
 
 

いきなり雪道です。
  
  
 

雌阿寒岳は、活火山です。
2015年11月に噴火警戒レベルが
「2」から「1」に引き下げられたため、
頂上まで登ることができます。
 

 
 

2合目に到着です。
標高は約1000mです。
  
 
 

まだ雪はかなり深く、1m以上、場所によっては
2mほどあります。
 
それにしても、北海道なのにとても暖かいです。
標高1000mを上回っているのに、手元の
気温計では摂氏10℃ほどあります。
  
 

標高1200mくらいで森林限界を超えて
視界が広がってきました。
遠くに見えているのは、美幌峠、屈斜路湖
そして摩周湖の方向でしょうか。
  
 
 

おけパパも原生林の原野をバックに
記念撮影です。
 
本州の信州では2300m〜2500m付近で
森林限界を超えますが、北海道では1200mで
森林限界を超えます。
したがって、雌阿寒岳の標高1499mという
のは、信州の3000mに匹敵する気候なの
です。 
 
 


 

いよいよ活火山の活動域に入っていきます。
  
 
 

真正面に目指す雌阿寒岳の頂上が見えて
きました。
  
 
 

だんだん雪も深く、そして柔らかいために
ツボ足で歩くのもかなり体力を消費します。
  
 
 

空は雲一つない晴天です。
しかし、頂上の方向から、何か不気味な音が
聞こえています。
何の音かは、この時わかりませんでした。
  
 
 

五合目、標高1300mまで来ました。
このあたりまで来ると、雪がとても深く、
一歩足を運ぶと、膝まで足が埋まります。
時には、太ももまでズボッと足がはまり、
かなり歩くのに時間を要します。
  
 
 

七合目まで来ると、雪が少なくなりました。
おそらく太陽の日射と、強い風によるもの
だと思われます。
現に、風が強まってきたため、おけパパも
ウィンドブレーカーを着ました。
 
ここで1名の登山客に出会いました。
昼食中のようでしたが、雪の中を登って
疲れたので、ここで撤退を決めたそうです。
  
 
 

八合目、標高1400mです。
このあたりから、風がかなり強くなって
きました。
風速は15m程度でしょうか。
先ほどの頂上方向から聞こえる音もだんだん
大きくなってきました。
  
 
 

稜線に向けて最後の登りです。
ここで、1名の登山客が下ってくるのと
出くわしました。
その人によると、稜線上は風が台風なみに強く、
持っていた風速計では常に風速20mを超えて
いたそうです。
また、瞬間では30m近い暴風が吹いており、
頂上まで行けなかったとの談です。
 
そして、ここより上には誰もいないそうです。
今回もおけパパ独占状態の山になるのです。

 
 
 

稜線に出ました。
九合目の1450mです。
風はさらに強く、立っているのが精いっぱい
です。
風速は20m以上ある様子です。
  
 
 

頂上にあるお鉢です。
お鉢の底に見えているのは赤沼という
カルデラ湖です。
このお鉢をあと200m歩けば頂上です。
しかし、強風で前に歩くこともままなりません。
 
ここで、先ほどからの音の正体がわかりました。
とても強い風がお鉢のお椀型の山容を抜ける
時にアルト笛の低音のような響きを発して
いたのです。
 
 
 

お鉢を回り、あと頂上まで100m付近にて
阿寒湖とその奥に雄阿寒岳が見えました。

  
 
 

おけパパは何気なく写真を撮っているように
見えますが、実は20m以上の風が吹いて
おり、写真を撮るのも精いっぱいです。
体が風で持ち上げられます。
 
 
 

現に、おけパパの短い髪の毛ですが、
強風によって、持ち上げられています。
まるでキューピーちゃんのようになっています。
ウィンドブレーカーも首元で風により膨らんで
います。
  
 
 

頂上まであと50mくらいだと思われますが、
ここから先はとうとう歩くことができない程の
風となっていました。
風速は25m程度だと思われます。
 
何とか、お鉢の向こうに阿寒富士が見えました。
実はこの写真も立っていることができないこと
から、ほふく前進をしながら撮ったのです。
これ以外の写真は残念ながら撮れませんでした。
  
 
 

写真にも写っていますが、強風によって、
指の爪くらいの大きさの小石が飛ばされ、
体中にあたってきます。
顔に小石がバチバチあたり、また、立つこと
もできず、とてもじゃないけど、これ以上
この場所に居れません。

雌阿寒岳だけあって、こら「あか〜ん!」と
叫びながら、頂上を目前に撤退を決めました。
おそらく標高1480m付近です。
時刻は、13時30分になっていました。
 
 


九合目まで何とかほふく前進をしながら
戻ってきました。
ここは、風がまだマシです。
マシと言っても風速15m以上はありそうです。
 
  
 

九合目より少し下りた、風の少し弱い場所で
昼食です。
時刻は13時50分です。
サッポロ黒生を開けました。
登頂祝いではなく、頂上直下で断念したと
いうことで、雌阿寒岳にちなんで「あか〜ん」
と言って飲みました。 

  
 


雌阿寒温泉方向をバックに一人乾杯です。
 
雌阿寒岳アイヌ語で「ポンマチネシリ」
と言います。
ポンは「小さい」、マチネシリは「雌の山」
ということだそうです。

  
 
 

広大な原野を酒の肴にビールを飲みます。
飛行機で来たので、ガスコンロを持って
来れません。
残念ですが、いつものような宴会はなしです。

 
 

八合目に向けて雪原を下ります。
ここまで下りると、風は10〜15mくらい
ですが、あの頂上方向からの不気味な音が
よく聞こえます。
おけパパのウィンドブレーカーも風に
あおられて膨らんでいるのがわかります。
  
 
 
 

八合目に到着です。
  
  
 
 

雌阿寒岳を見返します。
本州の1500m級の山とちがって、
さすがに北海道の山は1500mでも雄大です。
  
 
 

氷結したオンネトーをバックに記念撮影です。
  
 
 

オンネトーのアップ写真です。
  
  
  

オンネトーをみながら小休止です。
テルモスに入れてきた熱湯でコーヒーを
ドリップして飲みます。
美味いですねえ。
  
  
  

でた〜っ!
下山時のおけパパの得意技、一人カラオケです。
この山にはもう誰もいません。
思いっきり歌えるのです。
 
もちろん、1曲目は足寄町にちなんで、
松山千晴さんの「恋」です。
♪愛することに〜、疲れたみた〜い♪
  
 
 

2曲目は、石川さゆりさんの「津軽海峡冬景色」
です。
♪上野発の夜行列車降りたときから〜♪
 
おけパパも30年前に青函連絡船に乗って
北海道に渡ったことがありますが、青森港を
出航するときに、この歌が流れるのです。
北海道への上陸と言えば、青函連絡船でしたが、
今は青函トンネルにその座を奪われましたね。
  
  
 

今日は山行中、ずっと快晴でした。
  
 
 

森林限界を下回る地点まで下りてきました。
この後は森の中です。
  
 
 

15時20分、無事下山です。
登り2時間15分、下り1時間50分でした。
 
さあ、この後、帰りの飛行機に乗らなくては
なりませんが、折角なので少し観光します。
帰りの飛行機は18時40分発なので、
18時にはレンタカー屋さんに戻る必要が
あります。
  
 
 

オンネトーで記念撮影です。
観光客は一人もおらず、静かな湖畔です。
今登ってきた雌阿寒岳と阿寒富士が美しく
輝いています。
  
 

再び雌阿寒温泉に戻り、汗を流すことに
しました。
雌阿寒温泉唯一の宿「野中温泉」の日帰り
温泉に入ることにしました。
何と、料金は350円とリーズナブルです。
  
 


350円とリーズナブルなためか、露天風呂は
手作り感満載の雰囲気です。
隣の女性用露天風呂がよく見えることにも
びっくりです。
残念ながら女性用露天風呂には誰もいません。
  
  


それでも、やっぱり露天風呂は気持ちいいです
ねえ。
かなり硫黄の匂いがきつい温泉で、温泉の湯が
顔にかかると、目がしみて開けられないくらい
塩分もきついようです。
  
 
 
 

汗を流してさっぱりしたおけパパは阿寒湖に
向けてドライブです。
ほとんど車は走っていません。
土曜日とはいえ、まだこの時期は観光シーズン
ではないのですね。
  
 
 

アイヌコタンにやって来ました。
しかし、ほとんど人がいません。
  
  
 

一応記念撮影です。
  
  
 

阿寒湖です。
誰もいないので静かです。
  
 
 

阿寒湖の観光船乗り場ですが、まだシーズン
ではないので、動いていません。
  
近くの土産屋さんに入りました。
阿寒湖畔のお店などは、冬の時期は休業で、
今日から営業を開始だそうです。
阿寒湖名物、「まりも」を買いました。
  
  
  

阿寒湖畔を17時に出発しました。
釧路空港まで40キロで、帰りの飛行機に
乗るためには1時間以内に戻る必要があります。
  
 
 

途中、ふきのとうがいっぱい生えている場所
がありました。
水芭蕉もたくさんあったのですが、まだ花が
開いておらず残念です。
ゴールデンウィークくらいが見ごろなので
しょうか。
  
  

誰も取って食べないのか、ふきのとうは大きく
なっています。
ここまで大きくなれば食べられませんね。
  
 
 

ということで、17時50分に釧路空港に
戻れました。
  
 
 

さっそく、ソフトクリームを買って食べました。
疲れた体に甘いバニラソフトは美味しいですね。
  
  
 

展望デッキに出てみると、ちょうど、これから
乗る飛行機が到着したところでした。
  
 

と、そのとき、ちょうどサンセットでした。
 

久しぶりに美しい夕日を見ました。
昨秋の鳥海山以来ですね。
 
 
 

釧路空港18時40分発、AIR DO74便
羽田空港行きに乗りました。
最前列の窓側1Fの座席でした。
  
うとうとしているうちに羽田空港には
20時25分の定刻に到着しました。
  
 
 

東陽町の家に戻ったおけパパは、恒例の
一人お祝いです。
今日は、登頂おめでとうではなく、「あか〜ん」
ですが、いつものように刺身などをいただきます。
ちゃっかり、阿寒湖で買った「まりも」が
左側に写っていますね。
 
ということで、雌阿寒岳登山はおしまい。