雪深い八海山頂上を目指す


雪多い新潟県屈指の豪雪地帯にそびえる
名峰「八海山」。
そう、あの銘酒「八海山」の聖地です。
今日は、八海山の山塊のひとつである
薬師岳」(標高1653m)を目指します。
   
  
   
  
 

スキー、スノーボード客でごったがえす
ガーラ湯沢行きの新幹線を避け、早めの
時間の「とき301号」新潟行きに乗ります。
  
   
  
  

この新幹線は車内販売が東京駅間もなく
やってくるので、朝のコーヒーを飲む
のに便利です。
  
  
 
 

いつものように自由席に座りました。
この後、大宮までに自由席は満席と
なったのです。
  
  
 
 

越後湯沢駅には7時24分に到着です。
東京から約1時間20分。
ここから在来線の上越線に乗り換え
です。
  
  
  

乗り換え待ちが40分ほどあります。
越後湯沢のホームでは、裸のお姉さん
の像の前で温泉が湧いています。
  
  
  
 
 

昨日はけっこう雪が降ったようです。
東京を出るときは快晴でしたが、上越
国境を超えると雪景色で、山は雲に隠れて
います。
  
  
  
 

越後湯沢駅を午前8時02分発の
長岡行き普通電車に乗ります。
  
  
  

電車に乗ったときは空いていましたが、
出発前になって新幹線から乗り換えて
きたスキー・スノーボード客で通勤
電車のようになってしまいました。
 
でも、上越国際スキー場駅でみんな
降りてしまいました。  
  
  

 

六日町駅には午前8時23分に到着。
午前8時30分発の八海山スキー場行き
の路線バスに乗ります。
  
  
  
 

八海山スキー場には午前9時前に到着です。
ここで着替えを済ませ、ロープウェイに
乗ります。




今日は、ロープウェイで高度を稼ぎ、
薬師岳までひたすら比較的緩やかに
稜線を歩くというコースです。
帰路も同じ道を戻ります。
  
  
  
  

ロープウェイ頂上駅に到着です。
スキー客はまばらにいますが、山に登る
恰好の人は全くいません。
スキー場の係員に聞くと、昨日1日で
このロープウェイ頂上付近で40cmの
新雪が積もったそうです。

それにしても暖かいです。
歩くと暑いので冬用のヤッケを脱いで
午前9時30分にスタートです。
  
  
  

スキー場ゲレンデでもふかふかの柔らかい雪
となっており、スタートから輪カンジキを
履きます。
  
  
  

少し歩くと、眼下に魚沼市の街が見えて
きました。
魚沼産コシヒカリの産地です。
  
  
 

誰も登山者はいないと思っていましたが、
トレースがあります。
この状況から見て、先行者が2〜3名程度
いるようです。
おかげで厳しいラッセルは必要なく、
足首の上部分が埋まる程度のラッセ
で済みます。
 
ラッセルとは、深雪を歩くときに雪を
足や体、道具を使って圧雪しながら進む
ことを言います。
かなりの体力を消耗する登山技術です。
  
  
  
  

今度は六日町の街が見えてきました。
このあたりから八海山に続く稜線を
歩くため、登りの苦しさも景色が
癒してくれます。
  
  
  
 

今登ってきた稜線を振り返ります。
圧巻のすばらしい景色です。   
  
気温はマイナス2℃と、この季節の雪山に
してはかなり暖かいです。
低気圧が西から近づいている証拠です。
   
 

  

薬師岳と浅草岳が見えてきました。
あの山の頂上を目指します。
   

夏はこんな感じです。
 
 
八海山には名前のとおり、八つの峰が
あります。
全て霊峰で、八ツ峰と呼ばれていますが、
薬師岳はその手前にある山です。
 
雪の季節は、八ツ峰には相当な技術と
ザイルワーク、そしてパーティを組まないと
登れないのです。
  
というのも・・・
  
  

八ツ峰こんな感じだからです。
  
  
 
 

八海山の北側、写真では左側に越後の
名峰「越後駒ケ岳」があります。
雲の中です。
  
  
  
 

写真右に浅草岳、奥には越後駒ケ岳へと
続く滝沢尾根が荒々しい稜線を見せています。
  
  
  
  

トレースは池の峰(標高1296m)へと
続いており、一旦高度を下げたあとに、
浅草岳方面へと続いています。
先行者はかなり深い雪をラッセルして
進んでいるようです。
  
  
  

トレースは、兎の足跡を横切っています。
  
  
  
  

手前の浅草岳、そして奥にそびえる
深雪の薬師岳です。
その稜線には大きな雪庇が張り出しています。
  
  
  
  

八海山に向け、さらに雪が深くなります。
このあたりは、夏は樹林地帯なのですが、
樹木がないように見えます。
深雪が樹林の上まで積もっているのです。
おそらく5m〜10m以上は積もっている
と思われます。
  
  
   

越後駒ケ岳の山容が見えてきました。
  
  
  
 

夏はこの道ですが、冬は雪庇が大きく
危険です。
右にう回します。
  
 

 

雪庇に乗らないよう、ここから再び
稜線上を歩きます。
雪庇に乗って崩れれば、最後の助です。

  
  

午前11時。
ここで先行者2名に追いつきました。
写真を撮っていただきましたが、2名は
ここで登山を断念するそうです。
深雪に耐えられないとのことでした。
  
  
   
 

稜線を振り返ると、大きな雪庇が右側に
張り出しています。
ここで本当の先頭を行っていた単独行の
外国人に合いました。
彼も断念するとのことでした。
  
  
 

とうとう誰も歩いていない深雪を進むこと
となったおけパパです。
北西に広がる雪深い山々です。
奥只見から福島県会津方面です。
  
このあたりから、斜面が急峻となって
きました。
太ももまで埋まってのラッセルで、
100mほど歩くのに、30分ほどを
要します。  
  
 


浅草岳(女人堂)の直下までやって
来ました。
写真はおけパパがもがいた跡です。
雪面の斜度が70度ほどの急斜面に、
やわらかい深雪。
ピッケルやアイゼンも役に立ちません。
掘っても掘っても崩れる雪です。
登れません。
  
  
  

おけパパが登ってきた深雪の急斜面を
振り返ります。
午後12時30分となっています。
無積雪期ならば、ロープウェイ頂上から
1時間15分で来れるこの場所まで、
すでに2時間50分かかっています。
  
わずか高度差20mほどの急斜面にて
1時間近くを費やし、さらに浅草岳への
最後の上部には、なんと雪面が雪庇状の
オーバーハングとなっているではありま
せんか。
 
 

さらに同じ場所で30分雪面と格闘。
午後1時前、これ以上行くことを断念。
勇気ある撤退となりました。
 
そして、登ることを断念したおけパパが、
急峻な斜面を降りた場所で、残念ぞうで、
泣きそうな顔になっています。
  
最高斜度の雪面では、胸まで雪に埋まる
ありさまでした。
とても登れる状況ではありませんでした。
たとえここがクリアできても、時間的に
薬師岳までは行けません。
  
  
  

一度ラッセルして登ってきた雪面ですが、
それでも帰路では膝まで埋まります。
帰路も注意しないと、この場所で雪面
から落ちると、500mくらいの
自由落下となります。
 
 
 

右は登ってきた稜線。
下界は六日町、遠く対峙する山には
上越国際スキー場が見えています。 
  
この景色を見ながら、昼食を取ることに
しました。
  
  
  
 

サントリープレミアムモルツ(エール)で
一人乾杯です。
停まると寒いので、ヤッケを着ました。
  
  
 

昼食はおでんです。
あったまりますなぁ〜。
  
  
  

登ってきた稜線をバックに、熱燗を飲みます。
気温は0℃まで上がっていますが、雪山
での熱燗は格別に美味いですねえ〜。
  
  
  

あらためて、こんな美しい絶景を見ながら
酒を飲みます。
もう、この八海山山塊には、おけパパ以外、
誰もいません。
 
 
 

誰もいない山塊でのひとり宴会。
ここで約45分、ゆっくり絶景と酒を
楽しんだのでした。
  
  
 

午後1時45分。下山です。
  
  
 

おけパパが行って戻ってきたトレースが
とても美しいです。
行きは、太ももまで埋まるラッセル。
帰りは、足首が埋まるラッセルです。
帰りは楽チンです。
  
  
  

あの稜線の巨大雪庇地帯を振り返ります。
  
  
  

これから戻る道です。
行きは道のない雪面を歩いてきましたが、
帰りははっきりとトレースになっています。
  
  
 

正面に池の峰の頂が見えてきました。
行きでつけたトレースがきれいです。
  
  
  

会津方面の深い山々です。
  
  
 

かなり降りてきました。
それにしても太陽が顔を出し、とても
日差しが厳しくなってきました。
  
  
  
 

どれも同じアングルで撮っていますが、
自撮り棒を使っているので、止むを
得ません。
右利きなので、いつも身体はこのような
斜め45度になります。
  
  
  
 

バックに見えるあの雪山において、
おけパパは苦戦していたのです。
  
 
 

豪雪の八海山。
手ごわい存在です。
  
  
  

自撮り棒を雪面に刺して、セルフタイマーで
写真を撮ってみました。
いまいちうまく撮れていませんでした。
  
  
  

しっかり撮るとこんな感じです。
  
  
  
 

下山中、越後駒ケ岳を拝めました。
  
 
 

改めて八海山をバックに記念撮影です。
  
  
  

南の方向に巻機山がその山の大きさを
現しました。
行きでは曇っていましたが、真っ白な雪を
被った姿はさすがに名峰です。
  
  
  

只見の山々です。
  
  
  

魚沼市の方向です。
  
  
 
 

ここで、八海山薬師岳を振り返りました。
大きな山です。
  
  
  
 

おけパパと八海山です。
  
  
  

おけパパと六日町です。
  
  
  

ロープウェイ乗り場に向けての稜線です。
  
  
  

美しい雪面です。
  
  
  

立小便をしました。
足跡の間に黄色く染まった雪がそれです。
  
  
  

こんな良い天気なのに、誰もいません。
  
  

 
 

いよいよ最後の下りです。
  
  
  

展望台まで降りてきました。
屋根まで埋まっています。
これは霊峰の神社の建物です。  
5mほどの雪の下に埋まっていますね。
  
  
  

この絶景も見納めです。
  
  
  

ロープウェイ頂上駅まで戻ってきました。
午後3時でした。
行きに要した時間は、3時間20分。
帰りは、1時間15分でした

  
 

行きのロープウェイはスキー客で満員
でしたが、帰りのロープウェイの乗客は
2名のみでした。
当然です。
スキー客はゲレンデを滑りますから。
  
  
  

バス停と八海山です。
丁度グッドタイミングです。
  
 


すぐに午後3時25分のバスがやって
きました。
  
  
  

六日町駅には4時前に到着です。
  
  
  

六日町駅を午後4時11分に出発する
ほくほく線の電車に乗ります。
  
  
  
 

車内はがらがらです。
  
  
  

越後湯沢駅に到着です。
  
  
 

越後湯沢駅コンコースにある土産物街は、
スキー・スノーボード客でごったがえし
ていました。
  
  
 

新潟県の日本酒ばかりをそろえた
コーナーがあります。
  
  
 

その名も「ぽんしゅ館」。
おけパパも「ぽんしゅ」を1本買いました。
  
  
 

もちろん、銘酒「八海山」です。
純米吟醸2100円でした。
  
  
 

越後湯沢駅を午後5時05分に出発する
2階建て新幹線「Maxたにがわ86号」
に乗ります。
  
  
  

グリーン車でゆったりです。
  
  
  

グリーン車にはブランケットも付いている
ので、疲れた足を温めて、快適に過ごす
ことができました。
  
  
  
 

東陽町のマンションに帰ったのは、
午後6時40分でした。
毎度ながら、西友で買った海の幸を肴に
美味い日本酒でひとり慰労会です。
  
残念ながら、豪雪に阻まれ登頂はできま
せんでしたが、雪の八海山のスケールの
大きさとその絶景に感動した1日でした。
  
酔っ払いおやじのおけパパは、午後9時
30分には就寝したのでした。